ウィルミントンTEACCHセンター報告

ウィルミントンTEACCHセンターより帰ってきました。今後は見てきたこと、聞いてきたことなどを書いていきます。

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第21号 自閉症とは何かを伝えるプログラム
2007/11/25
    
  自閉症を持ったお子さんたちが成長すると自分にどのような障害があるのか、自分は他の人とはどう違うのか、自閉症とは何かを知りたいという気持ちをもつようになります。ウィルミントンTEACCHセンターでセラピストから伺った自閉症告知プログラムをご報告します。
 アメリカの教育は、自閉症を持つか否かに関わらず自分が何が好きか、何が得意か、自分と他の人はどう違うかを小さいころから表現させることが多いようです。自閉症のお子さんへの支援では、これをより意識的に行うことが重視されます(第11号ソーシャル・グループ参照)。


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2007/11/25
    
  ウイルミントンTEACCHセンターでは、自閉症、アスペルガー障害を持ち通常級に通っているお子さんのためにソーシャル・グループを実施していますが、そこでの重要なプログラムの一つに自分を知り、友達を知るプログラムがあります。ファイルに友達の名前をはり(写真左)、友達あてクイズをします(写真中)。まず、友達の特徴を書いたミニ・ブックを用意します(写真右)。


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2007/11/25
    
Q1:この友達は、女の子です。青い目をしています。(写真左)
Q2:この友達は、男の子です。紙は茶色です。(写真中)
Q3:この友達は女の子です。めがねをしています。(写真左)


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2007/11/25
    
Q4:この友達の好きなビデオは、America’s Vind Cash です。(写真左)
Q5:この友達の好きな漫画は、SCOOBY DOOです。(写真中)
Q6:この友達の好きな漫画は、Blue’s Clues です。(写真右)

このようにソーシャルグループでは、自分の特徴、自分の好きなこと、得意なこと、友達の好きなこと、得意なことを知って共通性を理解し、友達を作ることを支援しています。
  その様な中で自閉症以外の友達や日常生活の中で自閉症の情報を知り、自閉症とはなにか、自分は自閉症なのかという疑問を持ちパニックに陥った男の子への支援プログラムをご紹介します。


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2007/11/25
    
  自閉症のお子さんは、自分が自閉症か、自閉症とは何か、という不安を持ったとしても自分でそのことを伝えたり、適切な質問をしたり出来ません。その様な疑問を持ったためパニックになった男の子の母親より相談を受けたセラピストは、一緒に自閉症について話し合うBoxをつくりました(写真中後方)。また、自閉症について子どもが聞きたいと思うであろう質問、また子どもに伝えておきたい質問を書き出します(写真左)。子どもに質問を選んでもらい、プレートについたクリップに質問をたててそれについて話し合います(写真中右)。子どもは、自閉症についての多すぎる情報に翻弄されることなく自分の聞きたいことを確実に聞くことが出来ます。


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2007/11/25
    
  今回話し合わなかった項目は、Boxに入れ次の機会に活かします(写真左)。次の機会にまたBoxから、質問項目を取り出します(写真右)。


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2007/11/25
    
  話し合いたい項目を選んで(写真左)、プレートにセットし(写真中)、話し合います(写真右)。
  このプログラムの良いところは、聴覚情報を維持することが困難な自閉症の子どもたちにとって、どのようなことを話し合ったかが視覚的に残ることです。また、このBoxを自宅にもって帰れば、家族に自分の自閉症について説明することが出来、学校に持参すれば友達や先生にも説明することが出来ます。
自閉症の告知という重い課題に、このようなかわいいBoxで簡便に確実に取り組んでいることに感銘を覚えました。

  注:このプログラムは、キャサリーン・フェハティの“What does it mean to me”にあるプログラムを参考に作成されたものです。


第20号 ペアレント・ティーチング・セッション
2007/11/25
    
  ウィルミントンTEACCHセンターの活動の診断的評価と並んだ重要なサービスの一つにペアレント・ティーチング・セッションがあります。日本の療育施設の外来や診療所の個別指導に近いサービスですが、その名前からもわかるように、このセッションは親御さんを主な対象にしています。汎化の困難な自閉症のお子さんへの指導は家庭で親御さんが行うのが何より重要という信念のもとに、お子さんを目の前で指導しながら、親御さんに子どもの理解の仕方、コミュニケーションの仕方、混乱した時の対応方法などを提示し家庭で活かしてもらうのです。  
  従って、このセッションはお子さんと一緒に活動するセラピストと、その内容を親御さんに伝え、家庭での様子を聞き取る親担当のセラピスト2人で担当します。
  何より重要なことは、セッションを始める前に面接を行い、親御さんがどのようなニーズを持っているか、何に一番困っているかをはっきりと確認することです。その他、子ども担当のセラピストは、親御さんやその他の情報からお子さんの現在の能力のレベルと興味・関心などを把握します。セッション・プランを記入する様式には、以下の点に関して評価を行う項目があります。
1. 構造化の内容  
   @ 物理的構造化(自閉症の子供が状況を理解できるよう物理的環境の設定を行うこと)
   A スケジュール(子供に課題や活動の見通しの理解を促すために、課題や活動の順番をわかりやすく示すこと)
   B ワーク・システム(教材の提示の仕方)
   C トランジッション(ある場面から別の場面へ移動する際にどのような手がかりが必要か)
2. コミュニケーションの形
    理解言語(どのような方法で指示を伝えると最も理解できるか)
        (実物・写真・絵・シンボル画・話し言葉など)
    表出言語(もっとも自然に子どもが意思を表現できる方法)
      (ジェスチャー・身振り・身体行動、カード、話し言葉など)
    コミュニケーションの態度・人への情味
3. 遊び
    興味のあること、遊び、得意なことなど。
上記の点について情報を集めた後、親御さんのニーズと子どもの課題を検討して、大体3セット位のセッション計画を立てます。
  1つのセットに、3〜4個の教材があり、セットが終わると、エリア(活動とそれを行う場所を対応させるために、学習と遊び又は休憩のエリアを別に設定します)をかえて、遊び又は休憩をします。この、学習と遊び又は休憩のセットを繰り返すことが、子どもの環境理解を助け、学習の仕方、遊び方、休憩の仕方、コミュニケーションの仕方を促すのです。特に重要なことは、学習が終わったあと、遊んだあと学習を始める際、エリアを変えて、次に何処で何をするかを指示された時にトランジッション・オブジェクトがとても役にたっていることです(第4号参照)。
  場面の設定(物理的構造化)、スケジュールの提示の仕方(スケジュール)、課題の提示の仕方(ワーク・システム)、トランジッション・オブジェクト、いずれもお子さんのレベルと興味・関心にあわせて見事に個別化されていました。

  以下に、年齢や発達レベル、好みや興味の違うお子さんのペアレント・ティーチング・セッションの設定のいくつかのケースをご紹介します。


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2007/11/25
    
  具体物がわかるレベルのお子さんの物理的構造化の場面です(写真右)。プレイエリアにあるおもちゃに気が散るようであれば、何らかのパーテーション(ついたて)が必要です。スケジュールは実物のおもちゃを並べることで提示します(写真中・左)。


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2007/11/25
    
  セッション開始時にトランジッション・オブジェクトを提示します(写真左)。課題の例です(写真中・右)。

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